台湾大哥大(Taiwan Mobile)の AI カスタマーサービスは「AI でオペレーターを置き換える」のではなく、「AI で 1,500 席のオペレーターを利益エンジンに変える」取り組みです。テキストではチャットボット「小麦」が月間約 42 万件の問い合わせに対応し、音声ではローカライズした音声認識モデルが中国語・台湾語・英語・客家語の混在を理解し、2026 年に発表した Agentic AI 基盤で顧客対応を業務プロセスに直結させています。 2026 年 9 月 8 日、台湾大哥大は第 4 回「D.E.E.P. Tech Day」を Agentic AI をテーマに開催し、Pathors は音声 AI パートナーとして参加しました。
本記事では、台湾大哥大が公開している AI カスタマーサービスの手法、台湾企業にとっての意味、そしてエコシステムの中で Pathors が担う「電話を AI が取り、会話を完了し、用件を片づける」部分を整理します。
台湾大哥大の AI カスタマーサービス、3 つの層
台湾大哥大は、カスタマーサービスを中核的な競争力として運営している数少ない通信キャリアです。公開報道によると、コンタクトセンターの人員は 1,500 人を超え、AI 導入後も減るどころか増え続けています。2025 年には CC APAC Awards の技術革新部門でプラチナ賞を受賞し、台湾企業として唯一の受賞となりました。その AI カスタマーサービスは 3 層に分けられます。
| 層 | 手法 | 公開データ |
|---|---|---|
| テキストチャットボット | チャットボット「小麦」に大規模言語モデルと社内ナレッジベースを導入 | 月間約 42 万件、満足度約 95%、回答正確率 99% |
| 音声 AI | 自社開発のローカライズ ASR と LLM で中国語・台湾語・英語・客家語の混在を認識 | 1 日 100 万件超の音声データ、1,500 席のオペレーターと連携 |
| Agentic AI 基盤 | D.E.E.P. Tech Day 2026 で発表した企業向け AI エージェント基盤 MyAgent | 自社開発 AI 成果 15 件、生産・販売・人事・研究開発・財務の 5 領域を接続 |
3 層の関係は明確です。テキストが高頻度・低リスクの質問を先に吸収し、音声が実際にかかってくる電話を処理し、Agentic AI が「質問に答える」を「用件を完了する」へ引き上げます。
なぜ台湾大哥大はキャリア級 AI カスタマーサービスを実現できるのか
分解すると、一般企業では自前で揃えにくい 3 つの条件が見えてきます。
D.E.E.P. Tech Day 2026 のテーマが Agentic AI である理由もここにあります。聞き取れて正しく答えられるようになった次のボトルネックは、「顧客の用件を完了できるか」です。
エコシステムにおける Pathors の役割:電話を取り、会話を完了し、用件を片づける
Pathors は音声 AI 電話システムを開発しています。AI が電話を直接受発信し、自然な会話で要望を理解し、実データを照会して予約・照会・確認をその場で完了し、必要に応じて担当者へ転送し、通話全体を記録として残します。台湾大哥大が通信ネットワーク、ローカル言語モデル、企業向け AI 基盤で築いた土台の上で、Pathors は顧客に最も近い部分を担います。
| Pathors 音声 AI の機能 | 企業にとっての意味 |
|---|---|
| 24 時間の AI 応答と発信 | 営業時間外・休日・ピーク時の取りこぼしがなくなる |
| プッシュボタン不要の対話理解 | 顧客は普段どおりに話すだけで用件を伝えられる |
| CRM・予約・受注システム連携 | AI が実データを参照し、その場で処理を完了 |
| 中国語・台湾語・英語の混在と多言語対応 | 台湾の実際の通話に即し、日本語・韓国語・英語の顧客にも対応 |
| 通話記録と有人転送 | すべての通話に記録が残り、複雑な案件はオペレーターへ円滑に引き継ぎ |
Pathors が D.E.E.P. Tech Day 2026 にパートナーとして登場したのは、「AI カスタマーサービスは用件を完了させるべきだ」という考えが双方で一致しているからです。Pathors 音声 AI の仕組みと導入手順は 電話 AI 完全ガイド をご覧ください。
台湾企業が台湾大哥大の AI カスタマーサービスから学べること
多くの企業には 1,500 席のオペレーターも 1 日 100 万件の音声データもありませんが、その道筋は参考になります。
1. 自動化の前に振り分け:まず 3 か月分の通話記録を入電理由で分類し、高頻度・低リスクのものから AI に任せます。
2. 言語はローカルに:AI カスタマーサービスの評価は、台湾語や中英混在を含む実際の台湾の通話でテストし、仕様書だけで判断しないこと。
3. データに届くこと:AI は実データを参照できて初めて「用件を完了」できます。そうでなければ話し上手な IVR に過ぎません。
4. 人は置き換えではなく格上げ:台湾大哥大のオペレーター数が増えたのは、AI が反復作業を引き受け、人が高付加価値の案件に移ったからです。
5. コンプライアンスが先:台湾では発信、録音、個人情報の利用に明確な規制があります。導入前に AI 発信電話は台湾で合法か をご確認ください。
D.E.E.P. Tech Day 2026 の要点
出典:台湾大哥大プレスリリース、iThome、Cheers。
台湾大哥大の AI カスタマーサービスが台湾企業に示した最も重要な点は、技術の先進性ではありません。サービス品質を守りながら、コンタクトセンターをコストセンターから利益エンジンへ変えられると証明したことです。それを可能にする条件は、ローカル言語の理解、実データへの接続、そしてプロセスを最後まで走らせる AI エージェントの 3 つです。
Pathors は D.E.E.P. Tech Day 2026 で台湾大哥大と同じ舞台に立てたことを誇りに思います。AI 電話対応や AI 発信を検討中であれば、Pathors の音声 AI に直接電話して体験するか、AI 自動発信システムの選び方 と 多言語 AI カスタマーサービスガイド もあわせてお読みください。
よくある質問
台湾大哥大に AI カスタマーサービスはありますか?
あります。チャットボット「小麦」が月間約 42 万件のテキスト問い合わせに満足度約 95% で対応し、音声では自社開発のローカライズ ASR と LLM が中国語・台湾語・英語・客家語の混在を認識します。さらに D.E.E.P. Tech Day 2026 で企業向け Agentic AI 基盤 MyAgent を発表しました。
台湾大哥大の D.E.E.P. Tech Day とは何ですか?
台湾大哥大が毎年開催する企業向け AI・ディープテックの発表イベントです。2026 年 9 月 8 日に第 4 回を Agentic AI をテーマに開催し、MyAgent 基盤と自社開発 AI 成果 15 件を、精誠資訊などの戦略パートナーやエコシステムパートナーとともに披露しました。
Pathors と台湾大哥大の関係は?
Pathors は音声 AI 電話システムの開発企業で、台湾大哥大の D.E.E.P. Tech Day 2026 にパートナーとして参加しました。AI が電話を直接受発信し、会話を理解し、実データと連携してその場で用件を完了させる、企業 AI カスタマーサービスの中で顧客に最も近い部分を担っています。
一般企業でも台湾大哥大のような AI カスタマーサービスを導入できますか?
できます。自前でモデルを作る必要はありません。Pathors のような音声 AI プラットフォームを使えば、既存の電話番号と PBX のまま AI の応答や発信を導入でき、CRM や予約システムを連携すれば AI が実データを参照して用件を完了できます。入電理由の振り分け、実際の台湾の通話でのテスト、データへの到達性がポイントです。
AI カスタマーサービスはオペレーターを置き換えますか?
台湾大哥大では AI 導入後にオペレーター数が 1,500 人超へ増え、毎年約 1 割成長しています。AI が反復的で低リスクの質問を引き受け、人は高付加価値で複雑な案件に移るため、「置き換え」より「格上げ」に近いものです。
AI 電話対応は台湾で合法ですか?
合法ですが、発信リストの個人情報の出所、通話録音の告知、営業時間帯、督促トークには明確な規制があります。導入前に個人情報保護法と関連規制を確認してください。詳しくは Pathors の AI 発信コンプライアンスガイドをご覧ください。

